スライディングスケール

賃金を特定の指標の変動に応じて、自動的に調整される労使間の協定による賃金支払い方法がスライディングスケールです。代表的なものは、生計費指数あるいは消費者物価指数にスラィドしてお金を上下させ、実質賃金の安定を計る方式で、長期賃金協定の中に決めるエスカレータ条項を持つものが代表的です。その他にもその産業の生産物価格や利潤の変動にスライドさせ、その産業の繁栄度に応じて賃金を変動させる方式もあります。この二方式には実質賃金を安定させる機能はありません。
安定賃金は一定期間の労使休戦、長期経営計画の一環としての賃金計画、労使管理の一環としての賃金管理の計画化を図る目的で長期賃金協定を結び、定期給与、臨時給与、定期給与と臨時給与を含めた賃金総額のいずれかについて、一定の基準に基づいて賃金の計算方法を前もって決めておく方式を言います。賃金計算基準としては、個別企業の売上高などの経営指標を採用するものや、社会水準、同業他社の水準を勘案するものなどがあり、臨時給与については年間臨給制を決め、賃金総額を一定の支給基準で配分する方法を決めておきます。安定賃金方式は、昭和34年の春闘で、東急と名鉄が3年間の長期賃金協定を締結してから注目をひくようになりましたが、これは職務給の導入と並んで、経営者の賃金政策の基本路線となっていました。

労働問題とお金

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