賃金構成

賃金構成は各種の基準で決められる種々の賃金部分、あるいは賃金支払項目の組合わせを意味し、賃金形態とは全然別個の、戦後日本特有の用語です。大部分の賃金は職種、年齢、学歴、勤続、経験年数、扶養家族数、勤務場所、勤務状況など種種の要素が組合されて決められます。基本給、能率給的な部分、地域給、家族給その他の生活補給的な諸手当、時間外労働に対する諸手当などを合計して、これを賃金として支払います。月給には給料明細書がついていて、雑多な項目が並んでいるのもそのためです。
賃金率はある質の一定量の労働に対して例えば、1時間の労働についで、または1日の基準労働時間について、あるいは一定の職務の遂行、単位出来高に対して、労働者に文払われる賃金額または賃金単価です。これが賃金算定の基準となります。これに対して一定期間に労働者が実際に受けとる賃金収入額を実収賃金といい、賃率とは区別して用います。時間当りの賃率が同じであっても、実際に働いた時間数が違えば実収賃金は変化し、出来高払いの労働者の実収賃金は、たとえ単位出来高当りの賃率が同じであっても作業速度の違い、作業量が違えば変化します。賃率と実収賃金は必ずしも同じ比率で変動しません。産業別の労働組合が、産業別の使用者団体と団体協約を結び、幾つかの職種や熟練度別労働者グループの最低の賃金率を、協約で決めたものが横断賃金率です。産業別の最低賃金を基底とした職種別、熱練度別賃金率の設定が間題になっています。

労働問題とお金

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